革製品は使い込むほどに味わいが増し、愛着のわくアイテムです。しかし、美しさや風合いを長く保つためには、定期的なお手入れが欠かせません。
そこで本記事では、初心者でも実践しやすい革製品の基本的なメンテナンス手順から、目的に合ったケアクリームの選び方までを解説します。お気に入りの革製品と長く付き合っていくために、正しいメンテナンス方法を身につけましょう。
革製品にメンテナンスが必要な理由
革製品は天然の皮を鞣(なめ)して作られており、人の肌や髪と同じように乾燥や劣化を防ぐためのケアが欠かせません。適切なお手入れを行うことで、美しさや風合いを長く保つことができ、革本来の魅力を引き出せます。
具体的にメンテナンスが必要である理由は以下の通りです。
乾燥やひび割れを防ぐため
革は放置しておくと内部の油分や水分が失われ、ひび割れや破れの原因になります。一度ひび割れが起きてしまうと修復が難しくなるため、定期的に保湿ケアをすることが重要です。
革の艶や風合いを高めるため
メンテナンスによって艶が増し、色に深みが出ることで、革の風合いがより美しく育ちます。特にクリームやオイルによるケアは、表面に油膜を作り、汚れや水から守る効果も期待できます。
耐久性を高めるため
日常の摩擦や乾燥によるダメージを受けやすい革製品ですが、適切にメンテナンスを行うことで耐久性が向上し、長く使い続けることが可能です。
小傷を目立ちにくくするため
日常生活でできた細かなキズも、保湿によって革が柔らかくなることで次第に目立たなくなります。全体の質感がなじみ、使い込むほどに味わいが出るのも革製品の魅力です。
育てる楽しみがあるため
革製品は丁寧に使い、手入れを重ねることで「育てる」楽しみを感じられます。時間と共に変化する質感や色味に、世界にひとつだけの風合いが生まれ、愛着も深まります。
革製品のメンテナンスの手順
革製品を美しく、長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、初心者でも実践しやすい基本的なお手入れ方法を5つのステップで解説します。
ステップ1.必要なものを用意する
まずはメンテナンスに必要な道具を揃えましょう。
- 馬毛ブラシ
- 柔らかい布やクロス
- 革用クリーム
- 防水スプレー
お手入れを始める前に、鞄や財布などの中身はすべて取り出しておくようにしましょう。
ステップ2.ブラッシング
乾いた状態の革の表面に付着したホコリや汚れを、ブラシで軽くなでるように払い落とします。
特にステッチの溝や角部分はホコリがたまりやすいため、念入りにブラッシングしてください。馬毛ブラシは適度な柔らかさで、革を傷めにくくおすすめです。
ステップ3.クリームを塗る
革は人の肌と同じように、水分と油分の補給が必要です。乾燥が気になるときは水分量の多いデリケートクリームを、艶を出したいときは油分を多く含むクリームを使い分けてみてください。
液状のオイルに比べてクリームは扱いやすく、染みにくい点が特長です。柔らかい布や指先に少量とり、やさしく塗り広げましょう。厚塗りはムラの原因になるため、薄く均一に仕上げることが大切です。
ただし、革の種類によっては、シミや色の変化が起こる場合があります。必ず目立たない場所で試してから使いましょう。
ステップ4.再びブラッシング
クリームを塗布したら、乾き切る前にすぐにブラッシングして革に馴染ませます。ステッチや凹凸部分にクリームが残らないよう丁寧に行いましょう。
仕上げのブラッシングをすることで、自然な艶が生まれ、見た目の美しさが引き立ちます。ブラシがない場合は、乾いた柔らかい布でも代用可能です。
防水スプレー
最後の仕上げとして、防水スプレーを全体に吹きかけます。30cmほど離して、スプレーを一箇所に集中させないように均一に噴霧してください。
革は水分に弱く、雨によるシミの原因にもなり得ます。特に鞄などの大きなアイテムには、予防の意味でも防水加工を施しておくと安心です。
スプレー後はしっかり乾かすことで防水効果が発揮されます。使用の前日など余裕を持って処理しましょう。
革製品のメンテナンス用クリームの選び方
革製品のケアに使うクリームは多種多様です。どれを選べばよいか迷ってしまうかもしれませんが、大切なのは「完璧な一本を見つけること」ではなく、「定期的にケアを続けること」です。ここでは、クリーム選びの際に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
におい
財布やキーケースのように日常的に手に取る革製品には、香りの強さや種類に注意が必要です。どれだけ効果が高くても、苦手なにおいのクリームでは使うたびに不快な思いをしてしまいます。無香料や自然な香りの製品を選ぶと、毎回のお手入れが快適になります。
塗りやすさ
クリームの伸びの良さや浸透性も選ぶ際の大切な要素です。特に初心者の方には、ムラになりにくく、扱いやすいものがおすすめです。反対に浸透力が高い製品は、少量でもしっかり染み込みますが、塗り方によっては色ムラになることもあるため、注意が必要です。
使用頻度
お手入れにかけられる時間や頻度によって、選ぶべきクリームも変わります。頻繁なケアができない方には、一度の使用で高い保湿力が得られるタイプが向いています。
一方で、こまめにケアするのが習慣になっている方には、風合いを大きく変えずに保湿できるデリケートクリームタイプがおすすめです。
仕上がりの質感
クリームによって、塗布後の仕上がりは大きく異なります。たとえば、
- 色に深みが出て艶が増すタイプ
- しっとりとした手触りになるタイプ
- さらりとした手触りで自然な仕上がりになるタイプ
- 控えめな変化で革の状態を保つタイプ
などがあります。どれを選ぶかは、革製品の用途や好みによって異なります。まずは目立たない部分で試して、理想の風合いを見つけてみましょう。
革製品のメンテナンス用クリームの特徴一覧
革製品のメンテナンスに使える代表的なクリームの特徴を解説します。
ラナパー レザートリートメント
蜜蝋(みつろう)とホホバ油を使用した、ナチュラル志向のレザートリートメントです。塗布直後はややぬめりが残るものの、一時間ほどで馴染んで自然な仕上がりになります。
においはほとんどなく、3か月に1度の使用がおすすめです。浸透力は控えめですが、撥水効果もあり幅広い素材に使用できる点が魅力です。
コロニル1909 シュプリームクリームデラックス
シダーウッドオイルとラノリンを主成分とし、高い保湿力と自然な艶を与えるクリームです。伸びがよく塗りやすいため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
仕上がりはしっとりとして上品で、2〜3か月に1度のケアで十分です。においにやや個性があり、香りの好みが分かれる可能性があります。
サフィール ダビンオイル
動物性油脂を主成分とした、浸透力に優れた高保湿タイプのクリームです。乾燥が進んだ革や水濡れ後のケアに向いており、半年に1度の使用でしっかりと油分を補給できます。
塗り方によってはシミやムラができる可能性があるため、扱いにはやや注意が必要です。においは独特ですが、拭き上げ後はほとんど気になりません。
M. モゥブレィ プレステージ
蜜蝋と有機溶剤を含んだ保湿クリームで、自然な仕上がりを好む方に適しています。塗布後はしっとりとした手触りになり、ほんのりと光沢が加わります。
半年に1回の頻度で使用するのが理想ですが、乾燥が進んでいる革には向かないため、状態を見ながら使用する必要があります。香りは高級感があり、使用時の気分も高まります。
コロンブス ミンクオイル
動物性油脂をベースにした保湿力の高いクリームで、手頃な価格と扱いやすさが魅力です。塗布後は軽くしっとりとした手触りに変わり、過度な艶が出にくいため、自然な風合いを好む方に向いています。
浸透力は控えめで、2〜3か月に1度のケアが目安です。においはわずかに動物性の香りがありますが、拭き取り後にはほとんど残りません。
Munekawa ケアクリーム
水分量が多く、初心者でも扱いやすい軽い使用感のクリームです。デリケートクリームに近い特性があり、塗布後は自然な艶とさらっとした仕上がりになります。
2〜3か月に1度の使用が適しており、頻繁にお手入れを楽しみたい方におすすめです。香りは爽やかで、6種類の中でも最も使いやすいと感じられるクリームの一つです。
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