2000年代以降、高騰を続けている金ですが、その理由を理解できている人は多くありません。
それもそのはずで、金やプラチナはジュエリーとして市場に出回るだけでなく、産業用途としても多く利用されるため、複数の市場が価格に影響を与えているのです。
さらに金は資産価値が高いことから、投資家の投資対象でもあるため、国際情勢の風向き次第で市場が大きく動きます。
このように、金はさまざまな要因が複雑に絡み合って価格が変動するので、売り時や買い時に悩む人は多いでしょう。
そこでこちらの記事では、
・金はなぜ最近高騰しているのか
・いま金やジュエリーは売り時なのか
・今後金の価値はどうなっていくのか
など、詳しく解説します。
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なぜ最近金が高騰しているのか?
まずこちらでは、ここ10数年金が高騰し続けている要因を解説します。
2023年、世界中が注目しているウクライナショックとの関連性についても触れるので、直近の金事情を詳しく理解したい方は参考にして下さい。
10年高騰し続ける理由
今でこそ投資対象として存在感が大きくなった金ですが、1990年代は価値が下落傾向にあり、市場最安値の865円を記録したこともありました。
価値が下落したことで鉱山の経営は悪化し、生産量も減っていましたが、転換点となったのが2001年です。
同年、金価格は上昇に転じましたが、需要に対して生産量が追いつかない期間が2008年頃まで続きました。
このように、需要に対して供給が追いつかない状況では、価格が上昇するのは至極当然です。
しかし、鉱山の経営や生産量が安定した今でも、金の高騰は続いています。その大きな理由は、世界規模で金の奪い合いが起きているためです。
戦争、テロ、災害などの世界的なリスクが懸念されるたびに、現物資産である金が投資対象として買われる傾向があるのです。
つまり、ここ10年金が高騰を続けていることは、国際情勢が不安定であり続けていることの裏返しと言えます。
金は有事に強い不変資産
そもそも国際情勢が金の価格に影響を与える要因は、金が他の資産と異なり、「不変資産」と言われているためです。
例えば、株は「成長資産」と呼ばれ、日々資産価値が変化します。
一方で金は年間の採掘量が決まっているため、短期間で大きく乱高下する可能性が少ないのです。
有事の際、自分が所有する貨幣の価値が暴落することを恐れ、不変資産である金に投資マネーが流れる動きが加速します。
1980年に起きたオイルショックでは、金は6495円という高値になりましたが、当時と同様の値動きがウクライナショックでも見られています。
インフレーションとの関連性
国際情勢の他に、金価格に大きな影響を与える要因の1つが「インフレーション(以下、インフレ)」です。
インフレとは、モノの価格が上がり続ける状態を言います。
過去の金の値動きの傾向を見ると、インフレの懸念が高まった際に価格が上がる傾向が強いです。
仕組みは国際情勢が悪化した際に金に投資マネーが流れるのと同様で、不変資産への投機が増えるためと言えるでしょう。
金の高騰により中古品の金やジュエリーの需要が上昇
金の高騰は、金やジュエリーの中古市場に多大な影響を与えます。
直近ではコロナ禍やウクライナショックによって引き起こされる物流の遅れや、急激な円安によって物価上昇が起きたため、金やダイヤの新品価格が跳ね上がりました。
高価な新品を買えない人のニーズが中古品に流れるため、中古の金・ジュエリー商品の需要が高まったのです。結果的に、人気商品の買取価格がこれまで以上に高騰しました。
つまり、金やジュエリーを売りたい人にとっては、金が高騰している今がオススメのタイミングと言えるでしょう。
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中古市場で古いジュエリーの価値が下がる可能性
金やダイヤのように、中古市場で価値が上がるものがある一方で、逆に価値が下がるジュエリーもあります。
たとえば、サファイヤ、ヒスイ、ルビー、産後などのジュエリーは、そもそも金やダイヤほど需要が高くありません。
特に、昭和時代に流行ったようなデザインのジュエリーは、年々価値が下がっています。古いデザインは需要が少ないため、再販が難しいことが理由です。
そのため、わずか1年ほどで買取価格が数万円変わることも珍しくありません。
また、ここ数年は金の高騰によって買取ブームが起きているため、古いジュエリーが中古市場に溢れ返っています。
少ない需要に対して供給が多すぎる状態は、今後買取価格の下落を引き起こす可能性があるでしょう。
ジュエリーには金のように決まった相場がない
金やジュエリーの買取において、相場の違いを理解することは重要です。
たとえば、金やプラチナはそもそも年間の採掘量が制限されているため希少です。
また、アクセサリー以外に電子製品や工業製品などの産業用途の需要もあるため、定期的に相場が公表されています。
一方で、装飾品としての宝石ジュエリーには明確な相場がありません。時代のニーズやエリアによって価値が大きく違うためです。
また、先述のようにデザインのトレンドによっても相場は変わります。
そのため、いま不要なジュエリーがある場合は、金やダイヤの価格が高騰しているうちに売ることをオススメします。
今後金の価値が下落する可能性はあるのか?
ここ10数年価格が高騰している金ですが、今後下落する可能性はあるのか気になっている方は多いでしょう。
そこでこちらでは、今後金の価値が下落するとしたら、どのような要因が考えられるのか4つ紹介します。
米ドルの価値が上昇する
1つ目の要因として考えられるのは、米ドルの価値が上昇した場合です。
一般的に、米ドルの価値が上昇すれば、金の価格は下落する傾向があります。
直近だと、ウクライナショックによって米ドルが上昇する見込みがあるため、それに反比例して金の価格が下落すると予想されています。
一方で、同時に米国の利上げによってインフレが起こる可能性もあるので、そこまで激しく下落しない可能性もあるでしょう。
いずれにしても、金価格の動向を分析する際は、米ドルの値動きに注目することが肝要です。
工業用の需要が減少する
金はアクセサリー以外に工業用の用途もあります。たとえば、パソコンやスマートフォン、デジタルカメラなどの電気機器に使われる電子回路などです。
そのため、工業用の需要の増減は金の需要に大きく影響を及ぼします。
経済が安定化する
直近ではコロナ禍やウクライナショックによって世界経済が不安定になっているため、金価格が上昇傾向にあります。
有事の際の不変資産として投資マネーが金に偏るためです。
しかし、これらの有事が落ち着き、世界経済が安定を取り戻せば、再び投資マネーが株式や債券などの高利益を見込める資産に移行し、金の価格が下落する可能性は高いでしょう。
戦争やテロ、大企業の倒産なども同様です。
これらのリスクが解消されれば、投資マネーが株式や債券へ移動し、金が下落する可能性があります。
金が高騰している今ジュエリーの製作や購入はありかなしか?
最後に、金が高騰している今、ジュエリーの製作や購入はありかなしかについて解説します。
結論から言えば、現在のように制作コストが高いうちは、金を用いたジュエリーの製作や購入は先送りにした方が懸命と言えるでしょう。
コロナ禍はピーク時に比べて落ち着いているとはいえ、ウクライナ情勢はいまだ終着の目処が立っていません(2023年6月現在)。
情勢が落ち着けば、それに応じて金価格が下落する可能性はあるでしょう。
また、現在は円安の傾向が強く、日本国内の金価格は高水準となっていますが、円安の状況が収まれば、日本国内の金の相場が落ち着く可能性があります。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。