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親が亡くなった方の中には、高級時計をはじめとする高価な遺品を受け継ぐ方もいるでしょう。
そこで、こちらの記事では高級時計は相続の対象になるのか、なるとすれば評価額はいくらくらいになるのか、高級時計の相続事情を解説します。
高級時計は相続対象になるのか
高級時計は、多くの場合、単なる時計としての機能を超えた価値を持っています。これらの時計は時に数百万円、あるいはそれ以上の価格で取引されることも珍しくありません。
では、高級時計は相続税の対象となるのかというと、なります。なぜなら、もしも高級時計が相続の対象でなかった場合、大金を持つ相続人が高価な時計を多数購入し、これを手段として相続税を回避することが可能となってしまうからです。
上記と同様の理由で、高級時計の他に自動車、家具、ブランド品など、多岐にわたる財産が相続税の対象とされています。
相続税の対象は土地や現金、株式だけではありません。あらゆる財産に適用される制度なのです。
高級時計の相続税評価額の計算方法
こちらでは、高級時計の相続税評価額の計算方法を2つ紹介します。
調達価格
高級時計の相続税評価額の計算において、基本的な考え方は「調達価格」に基づくものです。調達価格とは、相続が発生する時点で同じ商品を取得するために必要となる金額を指します。
具体的には、その時点での市場価格や過去の取引実績、専門家の評価などを基に算出される価格です。要するに、その高級時計が相続の時点でいくらで取引されているのかによって、評価額が変わります。
ちなみに、高級時計の中でも特にロレックスの価値は、目を見張るほどの高騰を見せています。特に限定モデルはコレクターの間で熾烈な争奪戦が繰り広げられ、オークションでの取引額は驚異的なものとなっているのです。
このような背景から、ロレックスの相続税評価額も以前と比べて大幅に上昇している場合があります。
したがって、ロレックスを相続の対象とする場合、その時点での市場の動向や専門家の評価を綿密に考慮することをオススメします。
減価方法
高級時計の相続税評価額の算定において、常に調達価格を基準にするわけではありません。特定の状況下で、調達価格を基準にすることが困難な場合、減価方法を利用して評価額を算出することもあります。
減価方法とは、新品のときの価格を起点として、経過した年数に応じてその価値を減少させる手法のことです（一般的に「定率法」と呼ばれています）。
具体的な計算式は以下の通りです。
高級時計の相続税評価額 = 新品の価格 − 償却費
償却費は、法定耐用年数と経過年数に基づいて計算される額です。
つまり、相続した時計の使用年数を考慮して、その価値の減少分を償却費として差し引くことで、相続税評価額を算出します。
生前贈与の方が節税につながることもある
親から子へ高級時計を受け継ぐ場合、相続よりも生前贈与の方が節税につながることがあります。
生前贈与とは、生きている間に特定の財産を家族や他の相手に譲り渡す行為のことです。
生前贈与も相続税と同じく課税の対象となりますが、納税の際には有利な点があります。その一つは、基礎控除が適用されることです。
基礎控除は、贈与に関する税金の計算において一定額の控除を受けることができる制度で、これにより実際に納税しなければならない税金の額が減少します。
具体的には、贈与税の基礎控除額は一人当たり110万円と定められています。したがって、高級時計を贈与として譲り渡す場合、その価値が110万円以下であれば、贈与税を一切納税しなくてもいいことになるのです。
このように、相続ではなく生前贈与を選ぶことで、節税につながるケースもあります。
高級時計は売ったらいくらになるのか
相続税や贈与税を支払うために、受け継いだ時計を売りたい方もいるでしょう。そこで、こちらでは高級時計がいくらくらいで売れるのか、ブランドごとの買取相場を紹介します。
なお、こちらの買取相場は2024年1月8日時点でインターネット上で確認できた買取事例から独自に調査をおこなったものです。
ロレックスの買取相場
高級時計の中でも特に人気を誇るブランド、ロレックスの買取相場はおよそ200万円前後となります。モデルによっては購入時の価格より高くなっているケースも多く、高級時計の中でも群を抜いて高い相場と言えます。
ただし、各シリーズやモデルによって買取価格にばらつきがあるのも事実です。スポーツモデルに分類されるデイトナやGMTマスターII、エクスプローラー、サブマリーナなどは、非常に高い買取相場となっています。
カルティエの買取相場
レディース市場において、カルティエは非常に高い評価を受けており、買取相場は40万円前後となっています。
カルティエのレディースラインの中でも特に人気なのは、タンクフランセーズ、タンクソロ、バロンブルー、パンテールなどです。
特に、クリスマスなどの特定の時期には、カルティエのレディース時計の買取が一段と増える傾向にあります。
もちろん、メンズ市場でもカルティエは高い評価を受けており、サントスやカリブル ドゥ カルティエ、ドライブ ドゥ カルティエなどのモデルが人気です。
オメガの買取相場
オメガの買取相場は、カルティエより少し低い35万円前後となっています。オメガの定価の平均が60万円前後ですので、大きな破損や故障がなければ、購入時の半分くらいの買取価格となると思って良いでしょう。
ちなみにオメガは、ロレックスと並ぶ知名度を持ち、優れた生産体制によるコストパフォーマンスの高さで知られています。スピードマスターやシーマスターなどの人気ラインは特に注目されており、これらのモデルは定価の70％近い価格がつくこともあります。
グランドセイコーの買取相場
グランドセイコーの買取相場は30万円前後です。国産ブランドとしてのグランドセイコーは、その確かな精度と品質で多くの支持を受けています。
2017年のセイコーからの独立以降、高級化路線と海外展開の強化が進められ、中古市場でも価値が高まっています。特にブティック限定モデルは希少性が高く、高価で買い取られる可能性が高いです。
フランクミュラーの買取相場
フランクミュラーの買取相場は30万円前後です。一目でフランクミュラーだとわかるユニークなデザインが、性別を問わず幅広い層から人気を集めています。
パテック・フィリップの買取相場
パテックフィリップの買取相場は400万円前後であり、今回調べた中では最も高い相場となりました。世界三大時計ブランドの頂点に位置するパテックフィリップは、美しいデザインと最高品質のムーブメントで、時計愛好者から絶大な支持を受けています。
特にノーチラスやアクアノートといったスポーツラインのモデルには世界的な需要があり、市場の流通が追いつかず、高額な取引が続いているのです。
また、レアモデルだけでなく、ステンレス製の定番モデルの資産価値も非常に高く、1000万円近い金額で取引されていることもあります。
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