「18金のアクセサリーに寿命はあるの?」
「金と金メッキの違いって?」
「金を売るときに気をつけた方が良いことは?」
こちらの記事ではこのような疑問に回答します。
金を含むアクセサリーやジュエリーを売る予定がある方は、予備知識としてぜひ押さえておいて下さい。
18金に寿命はないが金メッキにはある
こちらでは、金と金メッキの違い、金製品の識別方法を解説します。
所有する金製品にどの程度の価値があるのか判断する際の参考にしてください。
金と金メッキの違い
金と金メッキには明確な違いがあります。まず、「18金」や「14金」と呼ばれる金製品には、一部金以外の金属が含まれています。
たとえば、金の含有量が全体の75%であれば「18金(またはK18)」、58.5%であれば「14金(またはK14)」と呼ばれているのです。
それに対して、金メッキ製品は成分のほとんどが金ではありません。製品の大部分は真鍮、ニッケル、シルバー、銅などであり、金は表面にのみ薄く塗られているだけです。
含有率は数%以下のものがほとんどでしょう。
ただし、外見はどちらも金で覆われているので、プロの鑑定士でもない限り、両者の違いを見分けることは難しいです。
違いを見分けるためには、重さ、刻印の有無、磁石への反応など、複数の判断基準があります。
18金と金メッキの寿命
結論から言うと、18金製品に寿命はありません。使用を続けることで酸化が進んだり、変色が起きたり、傷ついたりすることはありますが、手入れをすれば半永久的に利用できます。
それに対して、金メッキ製品の場合は寿命が5年程度となっています。
金メッキは金以外の金属に薄く金を塗ったデリケートな金製品であるため、半永久的な使用はできません。
少しでも長く使用し続けるためには、18金製品以上に丁寧な手入れが必要となります。
ポイントは、まず黒ずみがあっても強くこすらないことです。
黒ずみの原因はメッキが剥がれて下地となる金属が露出していることなので、強く擦れば黒ずみが悪化してしまいます。
研磨剤や歯ブラシを使った擦り洗いは避けて、できるだけ修理業者に依頼することをオススメします。
また、日頃から汗や水への対策を心がけることもポイントです。濡れたらできるだけ早く乾いた柔らかい布で拭き取るようにしましょう。
水泳や入浴の際はアクセサリーを外し、洗い物の際は指輪を外すようにして下さい。
GPとGFの違い
金製品を語る上で押さえておきたい知識の1つが、「GP」と「GF」という、2つの金の加工方法です。
「GP」とは「Gold Plated」であり、金を溶かしたメッキ液を使って、電気分解による金のコーティングを施したことを意味します。
そのため、多くの金メッキ製品に「GP」という刻印があります。
摩擦に弱く、メッキが剥がれることもあるので、比較的安価な金メッキ製品に用いられる加工方法です。
もう1つの「GF」は「Gold Filled(金張り)」を意味します。
板状の金でベースとなる金属を包み、圧力と熱を加えることで合金化する手法です。
GPが表面のみを加工しているのに対し、GFには一定の厚みがあるため、GPよりも摩擦に強い特徴があります。
たとえば、「18K GF」という刻印がある金製品は、75%の金と25%のその他の金属で構成された合金であることを意味します。
刻印が存在しない製品は金メッキであることが多いです。
18金の手入れ方法
18金に寿命はありませんが、手入れを怠れば状態は悪くなります。
そこで、こちらでは18金製品の手入れ方法を解説します。
- 黒ずみがある場合
中性洗剤とぬるま湯を用意して、優しく洗います。強く擦る必要はなく、指先で軽く触るだけで汚れは落ちます。
- 黒ずみを防ぐ場合
日頃から黒ずみの発生を防ぐためには、メイクのあとにアクセサリーを付ける、使ったら毎回汚れを拭き取るなどの工夫が必要です。
- 保管方法
18金製品を保管するときは、できるだけ仕切りがあるケースを利用しましょう。
仕切りがないと、他のアクセサリーとの摩擦によって傷ついたり、変形したりする可能性があるためです。
金メッキの手入れ方法
同じく、金メッキ製品の手入れ方法も解説します。
18金製品ほどの耐久性はなく、外部からの刺激に弱いため、さらに慎重な手入れが求められます。
- 黒ずみがある場合
金メッキ製品に黒ずみが見られる場合、強く擦らないことがポイントです。
強く擦ると金メッキの劣化が進行し、黒ずみが悪化する可能性があります。
研磨剤や歯ブラシによる擦り洗いなど、自力での解決は避け、修理業者に依頼することをオススメします。
業者によっては新たにメッキを施してくれるケースもあるでしょう。
- 黒ずみを防ぐ場合
金メッキ製品の黒ずみを防ぎ、長く使い続けるには18金以上の手入れが重要です。
汗や雨、水で濡れたらすぐに乾いた布で拭くこと、入浴や水泳の際は身につけないこと、洗い物の際は必ず外すことがポイントになります。
- 保管方法
金メッキ製品は18金製品以上に劣化しやすいので、18金製品と同様に仕切りのあるケースで保管するようにしてください。
18金と金メッキは上手な使い分け
高級感や耐久性のみを考慮すると金メッキ製品を使うメリットはあまりないように感じるかもしれません。
しかし、金メッキ製品の最大の魅力は、金の輝きを有していながら18金よりもはるかに手軽な価格でラグジュアリーなアクセサリーを楽しめることです。
そのため、シーンに応じて18金製品と金メッキ製品を上手に使い分けるといいでしょう。
たとえば、長期間利用する結婚指輪のようなアイテムを購入する際は18金を選び、流行り廃りのあるデザインのアクセサリーを購入する際は金メッキ製品を選ぶなどです。
18金を売る前に知らないとまずい予備知識
最後に、18金製品を売りたい方向けの予備知識を紹介します。
金製品は他のブランド品や腕時計を売るときとは勝手が異なります。
知らずに売ると思わぬ出費が発生する可能性もありますので、十分に注意して下さい。
買取価格に影響を与える3大要素
まず、金製品の買取価格は以下の3つの要素によって算出されます。
- 相場
金の相場は日々変動しています。「田中貴金属工業」や「YAMAKIN」などのホームページを見れば、その日の金相場(1gあたり)を確認可能です。
査定時はその日の相場を基に買取価格が計算されるので、相場をチェックしておけば、事前にある程度の目安を計算できます。
- 純度
純度とは、金製品にどれだけの割合で金が含まれているのかを示す指標です。表記ごとの純度をまとめた表が以下の通りです。
表記 |
純度 |
K24 |
99.9%以上 |
K22 |
91.6% |
K18 |
75.0% |
K14 |
58.5% |
K10 |
41.6% |
当然ですが、同じ重量の金製品であれば、純度が高い方がより高い買取価格がつきます。
- 重量
相場、純度に続いて、金の買取価格の指標となる最後の要素が「重量」です。買取業者に査定に出せば、高精度の測りを使って正確に重要を計算してくれます。
そこから、純度に応じて実際の金のみの重量を換算し、その日の相場を基に買取価格が決まります。
手数料
金の買取が他のアクセサリー類の買取と異なるのは、手数料が発生する点です。
手数料が発生する理由は、買取業者が他の専門店に売却する際の利益を増やすためと言われています。
また、加工によって金の総重量が減ることもあるので、その差分による損失を補うために手数料を設定する意味もあるようです。
一般的には買取金額の2割前後の手数料となる傾向があります。
リサイクル価格
破損によりアクセサリーとして使用不可能な金製品でも買い取ってもらうことは可能です。
歯科用または工業用に使われるリサイクル品として買い取ってくれます。
リサイクルするためにコストがかかるため、通常の買取価格よりも安くなるのが一般的です。
このように、リサイクルを前提として提示される買取価格を「リサイクル価格」と言います。
譲渡所得税
金の売却によって年間で50万円を超える利益が出た場合、超えた部分に対して譲渡所得税が課されます。
50万円である理由は、譲渡所得に関して年間で50万円の特別控除があるためです。
なお、譲渡所得の算出方法は金を保有していた期間によって異なります。
金の購入から5年以内に売却した場合は「短期譲渡所得」、5年を超えて売却した場合は「長期譲渡所得」と見なされます。
短期の場合は50万円を超えた利益がそのまま譲渡所得とみなされますが、長期の場合は50万円を超えた利益の50%が課税対象です。
所有期間によって税負担が大きく変わるため注意してください。
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